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マルチモーダルAIを学ぶ上で読んでほしい書籍『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』

近年、ChatGPTをはじめとするAI技術は驚くべき進化を遂げており、最近では画像をもとにした質問応答やデータ分析が可能なAIが登場しています。

このような領域の技術は日進月歩で入れ替わっているため、ある時に最先端だとされた技術でさえも数週間で過去のものになってしまうこともあります。

それでは、それらの流行を追うだけで精一杯になってしまうことになります。

そのため、この分野に興味を持っても色々と技術がありすぎてどのように学べばいいか戸惑うことも多いと思います。

そこで読んでほしいのが『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』です。

『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』は次のような方におすすめです。

  • 大学生・大学院生・研究者
  • マルチモーダルAIに興味がある方
  • マルチモーダルAIに興味はあるが何から手を付けたらいいか分からない方
  • 過去に言語、画像モデルについて学んだことがあるが理論が抜け落ちている方
  • 基礎からしっかり学びたいが体系的に解説されている書籍を探している方
目次

『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』を読む前に

確率・統計、線形代数、計算量理論、プログラミングについては前提知識として扱われています。

このあたりの知識がないと難しいと感じたり理解できなかったりする内容が多いと思います。

特に、この本では数式が多く登場するため、数式に抵抗がある方は難しいと感じるかもしれません。

【注意点】
レビューについては、私の独断と偏見で評価しているだけなので、その本の価値を保証するものではありません。
これらを踏まえた上で、一つのレビューとして参考にしていただければ幸いです。

概要

『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』は、マルチモーダルAIに関心を持つ学生、研究者、またはAI技術を応用したい読者に向けた書籍です。

本書は、近年急速に進化している深層学習技術をベースにして数理基盤に始まり、言語・画像・音声の3分野における技術、さらにこれらの横断的領域であるマルチモーダル情報処理に至るまで解説しています。

第1章では全体像、第2章では深層学習の理論、第3章~第5章ではそれぞれ画像・言語・音声と深層学習、第6章ではそれまでの章を踏まえてマルチモーダル情報処理について解説されています。

私が良書だと思う理由

では、私がこの書籍を読んで良書だと感じた点を述べたいと思います。

図やアルゴリズムの流れでの解説が分かりやすい

一つ目は、図やアルゴリズムでの解説が分かりやすいという点です。

複雑な概念やアルゴリズムを理解する上で、図やアルゴリズムの流れによる解説は非常に助かりました。

特に、深層学習の数理基盤やエンコーダー・デコーダーが、視覚的にわかりやすく解説されていると感じました。

深層学習は一般に複雑な数学的理論が絡む分野であり初学者にとっては理解が難しい場合がありますが、体系的にまとめられているだけあり基礎と応用のバランスがいいように思いました。

曖昧な知識・理解が解消される

二つ目は、曖昧な知識・理解が解消されるという点です。

図などが分かりやすいこともあり、これまで曖昧であった用語の理解がすっきりしたように思います。

基礎的なところから解説されているので、自分の理解を確かめる意味でも読んでみる価値はあると思います。

知らない用語・考え方に出会える

三つ目は、知らない用語・考え方に出会えるという点です。

私は大学でこの書籍に書かれてきた数式や用語について学んできましたが、そもそも知らない用語がいくつかありました。

例えば、フォーカル損失という損失関数を聞いたこともありませんでした。

また、あるところで数学的に等価であるというような解説がされている部分がありましたが、そのような考え方をしたことがなかったので新鮮な気分になりました。

このように、そもそも知らないというような用語や考え方に出会える点もこの書籍が良書だと感じた理由です。

残念だと感じたところ

この書籍の趣旨とは離れてしまうのかもしれませんが、マルチモーダルAIということでpythonのコードがあれば嬉しかったです。

個人的にはコードから理解できる部分も多いと思っているので、実際に開発する時にこの書籍を手引きにできないのは少し残念でした。

それ以外については気になることはありません。

総評

深層学習からマルチモーダル情報処理へ
総合評価
( 5 )
メリット
  • 図やアルゴリズムの流れでの解説が分かりやすい
  • 曖昧な知識・理解が解消される
  • 知らない用語・考え方に出会える
デメリット
  • Pythonコードがない

総じて、『深層学習からマルチモーダル情報処理へ』は、マルチモーダルAIに関心を持つ読者にとって、図やアルゴリズムによる解説の分かりやすさや、曖昧な知識の解消、新しい用語・考え方に出会える点から理解を深めるのに役立つ一冊だと考えています。

一方、コードの掲載がないことが少し残念に感じられましたが、それでも本書の価値には変わりはありません。

興味を持った方にはぜひ手に取って読んでみる価値のある書籍だと思います。

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