Docker再起動時の「Too Many Open Files」エラーを解決する方法
はじめに
sudo systemctl restart docker
コマンドを実行した際に、以下のエラーに遭遇しました。
Failed to allocate directory watch: Too many open files
このエラーは、システムのファイルディスクリプタ数の上限を超えた場合に発生します。特に、inotify
サブシステムが原因であることが多いです。本記事では、この問題の原因と解決方法について詳しく説明します。
原因の調査
inotify
は、Linuxカーネルのサブシステムであり、ファイルシステムイベント(ファイルの変更やディレクトリの監視など)を監視します。エラー「too many open files」は、inotify
が新しいファイルディスクリプタを確保できなくなった場合に発生します。
現在の設定を確認
以下のコマンドを実行して、システムの現在の inotify
設定を確認します。
sudo sysctl -a | grep fs.inotify
出力結果には、max_user_instances
や max_user_watches
などのパラメータが含まれます。これらの値が小さいと、監視できるファイルやディレクトリの数が制限され、エラーが発生しやすくなります。
対策
1. 設定値の一時的な変更
以下のコマンドを実行して、inotify
関連のパラメータを増加させます。
sudo sysctl fs.inotify.max_user_instances=512
sudo sysctl fs.inotify.max_user_watches=65536
2. 永続的な変更
システム再起動後も設定が維持されるように、/etc/sysctl.conf
ファイルに以下の行を追加します。
fs.inotify.max_user_instances=512
fs.inotify.max_user_watches=65536
3. 設定の適用
/etc/sysctl.conf
ファイルを編集後、以下のコマンドを実行して設定を適用します。
sudo sysctl -p
設定の確認
設定が正しく適用されたかどうかを確認するために、再度 sysctl -a | grep fs.inotify
コマンドを実行します。
再起動の確認
これで、sudo systemctl restart docker
コマンドを再実行し、エラーが発生しないことを確認します。
まとめ
ファイルディスクリプタの上限を増やすことで、「Too Many Open Files」エラーを解決することができます。
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